知っ得コラム
2025.5.27今必要とされる宗教家を考える⑧「初随喜」
あなたは、テニス部に入部しました。球拾いから始まります。グランドを走ったり、素振りしたり、なかなかボールを打たせてもらえません。先輩の試合の応援では、かばんの見張り留守番や交代で応援。先輩が必死にボールを追う姿、勝って喜んでいる姿、負けて悔しがる姿を目の当たりにしながら、自分も先輩達のように上手にボールが打てるようになるのかな~。と心配になりつつひたすら言われた通り練習を積み重ねます。あるとき、そろそろボールを打ってみるかと先輩から声をかけられラケットをもってコートに。初めてラケットでボールを打つ。空振りするけど、快心の一球をラケットがとらえる。「すごい!」と、先輩と周りで見ている同級生の声。あなたは、心の奥底から込みあげてくる喜びに体中が熱くなり、テニスが大好きになるでしょう。
一つの物事を達成するのに、先生、師匠や先輩に随って鍛錬、練習や勉強をして物事を達成した時に感じる喜びは、その物事を極めるきっかけとなる大切な心と仏様は説かれます。テニスに限らず、様々なスポーツ、アート、技術、学問等森羅万象すべての事象にあなたがトライするとき、初めに感じる喜びこそ、あなたの魂の奥底に潜む極みの素質を呼び覚ます大事大切な真心なのです。
逆に、何かしらを極めた人というのは、初めて感じた喜びを忘れることなく、師匠、先生や先輩の教えを信じコツコツと努力を積み重ねてこられた人で、終わりなく鍛錬練習をし続ける人と言えるでしょう。
あなたが一番力を発揮する強い心とは、先にお伝えした心の奥底からこみ上げてくる喜びのほかありません。なぜならば、極めるまで信じて努力を惜しまず目標に向かって進む大きな力となるからです。そして、その心はすべての人と生きる喜び、自然と生きる喜び、あらゆるすべての生命と生きる喜びとなってあなたを支えてくれるでしょう。喜びは自分だけではなく共に生きる人々へ伝えることを惜しまないでしょう。そして、他の人もその喜びを感じる様を見るときさらに自分も大きな喜びを感じる事でしょう。本来、人間が持つ素晴らしい心と心のつながりです。しかしながら、現在は物質の世、決められた箱のような社会。箱から飛び出すことが許されないような社会。心を説く宗教でさえ、さまざまな宗派という箱の中に閉じ込められている物質の世。ですから、トライする時間と余裕もなく、感じようとする行動すらおこせないのかもしれません。であるならば、あなたが幼い頃、学生の頃に少し感じた真心をなんとか呼び覚まそうとする努力が今一番大切なことと言えるのではないでしょうか?
幼い頃、学生の頃やりたいことにトライして、少し真心を感じたあなたは、いつか時間ができたらまたやりたいな~と心のどこかで思っていませんか?それをやることがあなたの本当の姿なのかもしれません。^^
ありがたい。すばらしい。